不燃物や焼却残渣などを処分する施設です。
処分場の構造には、次のような種類があります。
- 安定型処分場
- 安定5品目(廃プラスチック類・金属くず・ガラス陶磁器くず・ゴムくず・がれき類)のうち、除外項目に該当しない、環境に影響を与えない廃棄物を処分する施設です。地下水への浸透を防ぐ遮水工や、公共水域への浸出水を処理する浸出水処理施設は設けられません。ただし、地下水のモニタリングは義務づけられています。
- 遮断型処分場
- 重金属や有害な化学物質などが基準を超えて含まれる有害な廃棄物を保管する施設です。有害物質を含む漏水が周辺の一般環境へ漏洩しないように、厳重な構造設置基準・保有水の漏出管理が厳重に行われます。屋根構造形式、人工地盤形式、カルバート形式などがあります。
- 管理型処分場
- 低濃度の有害物質と生活環境項目の汚濁物質を発生させる、大部分の廃棄物を処理します。埋立後に次第に分解し、重金属やBOD成分、COD成分、窒素、酸・アルカリを含んだ浸出水が生じるため、ゴムシートなどによる遮水工と浸出水処理施設等が設置され、水質試験やモニタリングによって管理されます。
廃棄物の埋立工法には、投げ込み方式、サンドイッチ方式およびセル方式があります。単純に投棄する投げ込み方式に対し、サンドイッチ方式では水平に投棄したゴミに覆土し、セル方式では一日分のごみセルに対し即日覆土します。
埋立構造には、次のような種類があります。
- 投棄積み上げ
- 低湿地など利用価値の低い土地に、ごみの山を積みあげるもの。周辺の衛生環境は極めて悪化し、発酵・化合熱による自然発火が常態化する。
- 投棄型埋立
- 理想的には不透水層など地下水汚染の恐れが比較的低い土地を掘削し、廃棄物を投棄して重機による転圧や移動を行い、埋め戻す方式。古典的な「穴を掘って埋める」処分法で、古代から用いられてきた。小規模で有害物質を含まないごみを処分する方法としては、日本でも広く行われている。
- 衛生埋立
- 埋立規模が拡大すると投棄が長期間続き、剥き出しのごみにハエなど衛生害虫が発生する。そこで毎日土砂で薄く覆う即日覆土をすることで、その対策とした。覆土の下から発生ガスを抜くため、ガス抜き管が設置される。浸出水が問題となることが多い。
- 改良型衛生埋立(嫌気性埋立)
- 埋立地底部に遮水工と浸出水集排水管を布設し、集水ピットに浸出水を受け水処理を行うか、下水道へ排除する。浸出水は嫌気性で嫌気性埋立とも呼ぶ。世界的には主流の方式だが、BOD・COD成分やアンモニア態窒素を多く含む浸出水が長期間発生し続けるため、その処理費用が大きい。
- 封じ込め型埋立地
- 欧米で主流だった方式で、改良型衛生埋立に加えて雨水を遮断し、内部を乾燥気味に保つことで浸出水の発生を抑制し、その処理コストを削減できる。しかし、水分不足により生物分解が進まず、安定化に数百年を要す欠点がある。
- 好気性埋立
- 集排水管に加え送気管を布設してブロワで送気し、曝気する。埋立廃棄物の好気生物処理を狙った実験的な方式で、浸出水のBODが急激に低下するなど画期的な成果を上げたが、動力費が嵩む欠点があるうえに、研究中に見出された準好気性埋立が同レベルの水準を達成したため、実用化は見送られた。
- 準好気性埋立
- 日本標準の方式で、1975年に福岡で実用化された。集排水管から浸出水を排除し続け、ごみの発酵熱による自然対流で空気を流入させる。この曝気効果により好気生分解がされ、浸出水のBODが好気性埋立同様、急速に低下する。集水ピットを常時空にできる設計とし、運営上も埋立地堰堤内部を水没させたままにしないよう、注意する。後段の水量調整設備や水処理施設の能力が不十分だと、融雪や豪雨による浸出水を速やかに排除する事が出来ないため、管内に空気が入らず、準好気状態を維持できなくなる。
- 生物反応器型埋立
- 準好気性埋立を取り入れ欧米で研究実験中の方式。嫌気・好気の条件や水分量を調整し、微生物を植種するなどして分解を促進する。また、バイオガス利用も組み込まれている。
また、遮水の方法として、底部遮水工、原地盤利用、鉛直遮水工、表面遮水工(キャッピング)、覆蓋(屋根)といった種類があります。